JAあいち豊田なす部会は、動画を使った栽培技術の継承に力を入れています。2021年から、ベテラン部会員のナスほ場で撮影を開始し、計画した14本の動画が間もなく完成します。完成した動画は、順次部会員に公開し、栽培研修会などで使用しています。今年度部会員へ配布するナスの栽培暦には、動画の2次元バーコードを掲載し、さらに活用してもらう予定です。
なす部会では、栽培暦や現地研修などで栽培指導を行ってきたが、より詳しく伝える手法として動画の導入を決めました。コロナ禍で研修会の開催が難しくなったことや部会員の高齢化などの理由で、これまで蓄積した技術が継承できないのではという懸念もあり、制作を始めました。
動画の構成は、JA営農相談課と愛知県豊田加茂農林水産事務所農業改良普及課が中心となって検討し、部会員の意見も取り入れました。長期出荷を可能にする誘引作業や整枝・せん定・芽摘みの方法、傷果を減らす防風対策、土壌病害を防ぐための土壌消毒など栽培準備から出荷調整まで幅広い内容です。これまでに7人の部会員が撮影に協力し、JA広報課が編集しました。動画制作に関わった愛知県豊田加茂農林水産事務所の森本杏子主任は「経験から生まれたベテラン農家の作業は、どれも考え抜かれたものばかり。次の世代に引き継いでもらいたい技術が詰まっている。部会のレベルアップに活用してもらいたい」と話しました。
なす部会は43戸の農家が3.2ヘクタールでナス「筑陽」を栽培しています。6月中旬から出荷を始め、約5カ月の長期間にわたり約160トンを出荷します。「筑陽」はボリュームがあり消費者や市場からも好評で、豊田市内の学校給食にも使われています。
写真=幅広い内容で制作したナスの栽培動画